日本のファストフード店のチキンナゲットに中国からの期限切れ肉が混入していたという報道を聞いてショックを受けた日本の方々は少なくないと思います。
これまでにも中国野菜の農薬の問題や、中国製餃子に殺虫剤が混入していた事件など、もともと中国製の食品の安全に不安を感じていた方にとって、今回の事件は警戒心にさらに拍車をかけるものとなったのではないかと思います。
中国で生活している私たちにとっても食は毎日のことですし、早かれ遅かれ食習慣は健康にも大きな影響があるので真剣に考える必要のあることだと感じています。
ただ、中国で暮らしている限り、毎日中国産の野菜や肉を食べる以外に方法がないのも事実です。
農薬の問題については、買った野菜は水洗いした後、重曹を溶かした水にしばらく浸すようにしています。
珊瑚やホタテ粉の方が重曹より効果があるので日本に帰国した際に購入している友人もいます。
期限切れ肉のナゲットより怖い中国の地沟油dì gōu yóu(リサイクル油)
中国で食の安全に関して懸念されているもののひとつに地沟油dì gōu yóu(リサイクル油)というのがあります。
地沟油dì gōu yóu(リサイクル油)とはその名の通り下水の油を汲み取ってそれを高度に精製した油のことです。
物によっては国の基準を通過しまうほど高度に精製されているものもあるようです。
当然発がん性があるので危険です。
一般にスーパーなどで売っている油は安全な油だと言われています。
それでも個人経営の安い食堂や路上の屋台で扱っている揚げ物などの油はこの地沟油dì gōu yóu(リサイクル油)を使っている事があります。
以前中国に来たばかりの頃、道端の屋台の揚げ物を物珍しさでよく食べていました。
ある時中国人の友人と買い物に出かけた時に屋台の串肉を見かけたので食べようとすると、外で売っているのは地沟油dì gōu yóu(リサイクル油)を使っている可能性があるので食べないように強く言われました。
日本では考えられないような話ですが、現実の話です。
今でもたまに個人経営の食堂で食事をして即お腹を下してしまうというような経験をすることがあります。
そういう時には地沟油dì gōu yóu(リサイクル油)を使っていたのかな、と思う事があります。
それでも悪いものを食べて体がすぐに反応しているうちはいいのですが、これも回数を重ねると体が反応しなくなってしまうのか少し心配です。
今回の一連の事件で、NHKの取材に対して中国人が、中国ではしょっちゅう食の安全の問題があるので
「麻木了mámù le」(麻痺しちゃっている)
と笑いながらインタビューに応じていたのが印象的でした。
確かに食の問題が常にある中国で生活しているので、自分自身「麻木了mámù le」(麻痺しちゃっている)とならないよう、気をつけられる部分では気をつけたいと思う今回の事件でした。