中国に来たばかりの頃、食堂でメニューを注文するのにけっこう苦労しました。
なんといっても全て漢字ですし、中国語の発音がよくわからないので注文するにも自信がありません。
とりあえず指でさしながら知っている中国語だけ発音してみます。
すると大抵「啊?á?」と言われます。
よく聞き取れないときに日本語で「えっ?」というのと変わらない表現なのですが、この中国語の「啊?á?」は日本人からすると、チンピラ風の人が人に絡んだ時に言う「あ゛~?」と変わらない印象を受ける為、始めはちょっと驚きました。
しかも中国の場合、学歴と態度やマナーがかなりの程度一致しているため、客に対して態度が悪い店員からムッとした様子で「啊?á?」と言われるとなんだかホントに絡まれているのかと感じることもありました。
もし、日本であれば店員が客に向かって「(チンピラ風の)あ゛~?」なんて言ったら多分客がクレームを付けてその店員は店長から厳しく叱責されるか、何らかの処分を受けることでしょう。
それでも中国では教育があるないにかかわらず、よく聞き取れなかったときのあいづちはこの「啊?á?」なのです。
こちらがイラついて言っても気がつかない
そのため、店員から「啊?á?」と言われて、日本人が店員の態度にカチンときて、同じように「(チンピラ風の)あ゛~?」と言い返しても相手の中国人は絡まれているとは思わず、ただ中国語で同じように聞き返されたとしか思わないので、相手の顔色は変わりません。
逆に聞き返した相手が同じように「啊?á?」と聞き返してくるのでキョトンとした表情を浮かべます。
日本語の場合、あいづちは合いの手の役割をし、相手の反応を見て話し手は話を進めていきます。
そのため相手が全くあいづちを打たないと逆にしゃべりにくかったりします。
中国語は日本語と同じではありませんが、それでもやはりあいづちは打ちます。
例えば日本語の「うん」とに似た表現で「嗯ǹg」というのがありますし、同意する時には「对duì」と言います。
また「是shì」も「对duì」と同様ですが、「对duì」の方が少し砕けた表現です。
中国語で日常使うあいづちの表現
他にも日常使うあいづちの表現にはこのようなものがあります。
●「好的/行hao3de / xing2」・・・分かった、いいよ
●「知道了zhīdào le」・・・分かった
●「明白了míng bái le」・・・分かった、理解した
●「是吗?shì ma ?」・・・そうなの?(受け入れ難い気持ちを含む)
●「真的?zhēnde ?」・・・本当に?
●「不会吧búhuì ba」・・・ありえない
●「难怪/怪不得nánguài / guàibùde」・・・どおりで、なるほど
●「哦/噢ò / ō」・・・ああ(納得の気持ちを表す)
●「嘿hēi」・・・おや?(驚きを表す)
●「是这样shì zhèyàng 」・・・そうなんだ~。
●「然后呢?ránhòu ne ?」・・・それから?
●「什么?shénme ?」・・・なぁに?
●「为什么?wèishénme ?」・・・どうして?
とりわけ、電話で相手と話している場合には顔が見えない分、あいづちは相手の話をきちんと聞いていること、理解していることを伝える重要な役割を果たします。
あいづちのバリエーションが豊富だと相手もこちらの反応を知る手がかりが得られるので、スムーズな中国語での会話において、あいづちの役割は小さくないと言えるでしょう。