日本ではは電車より高速バスの方が料金が安いと思いますが、中国の場合は逆です。
もちろん電車でも「动车dòng chē」と言って特急は料金が高めですが、普通の電車「火车huǒchē」(「慢车màn chē」)はバスに比べて値段が安いです。
広い中国大陸では場所によっては20時間以上電車に揺られて移動するのもそう珍しくありません。
最近も中国人の友人が中国とロシアの国境近くまで50時間、しかも「硬座yìng zuò」と言って硬い座席の列車で揺られて行くと言っていたのには驚きました。
中国の長距離列車の場合安い順に
●「无坐wú zuò」…座席なしで通路や連結部で立って過ごす
●「硬座yìng zuò」…座席が硬い二等座席
●「软座ruǎn zuò」…座席が柔らかい一等座席
●「硬卧yìng wò」…通路にズラリと並べられた硬い三段ベッドのうちの一つ
●「软卧ruǎn wò」…個室に柔らかい二段ベッドが向い合って並べられたうちの一つ
という切符があります。
私が利用したことがあるのは、「硬座yìng zuò」「硬卧yìng wò」「软卧ruǎn wò」です。
目的地まで2,3時間なら「硬座yìng zuò」でそこそこ快適でした。
「硬卧yìng wò」の場合昼夜問わず通路から丸見えなのでプライバシーは全くありません。
一番下であれば座って過ごせますが、二段目三段目となると常に横たわっていなければ過ごせない狭さなので閉所恐怖症の方には厳しいかと思います。
「软卧ruǎn wò」は個室で二段ベッドの二階も座っても頭がつかえない程度の空間があります。
ただ二階に上がるはしごはなく、踏み台が壁に一つ付いているだけなので高齢の方にはお勧め出来ません。
「硬卧yìng wò」「软卧ruǎn wò」いずれにしても下の段は値段が高いのですが、トランクもそばに置けるので気分的に安心です。
それでも貴重品が入った手荷物は手元から離さないようにしましょう。
特にトイレに行くときなど席を離れる時は必ず携帯します。
ちなみにトイレは穴が空いている垂れ流しの構造なので駅に停車する前にはカギがかけられて使えなくなるので気をつけましょう。
中国列車の車内販売あれこれ
日本では特急列車の車内販売が除々になくなっていく傾向にあると聞きます。
ご当地ならではの駅弁を車内販売で購入し、景色を見ながら舌鼓するのを楽しんできた方にとってはなんとも寂しい限りでしょう。
日本に帰国した時に驚いたのは駅のホーム内にコンビニが出現していたことです。
電車に乗る前に欲しいものが何でも手に入ってしまうとなると、車内販売がなくなるのも時間の問題なのでしょう。
中国での車内販売はというと、さすが何でもありの中国という感じです。
ワゴンでの車内販売もありますが、内容にかなりの違いがあります。
飲料の他に「方便面fāngbiàn miàn」(カップ麺),「瓜子guāzǐ」(ひまわりやカボチャの種)、「盒饭hé fàn」(食堂で作られたいわゆるぶっかけ弁当)、カット果物などが販売されています。
ちなみに「餐车cān chē」(食堂車)もあるのですが、高い割にまずいというので評判で利用する人も少ないようです。
中国の列車には無料の給湯器が付いているので、「方便面fāngbiàn miàn」(カップ麺)をすすっている人をよく見かけます。
「硬座yìng zuò」のような普通座席ではワゴン販売だけではなく、乗務員?による実演販売もあります。
まず乗務員が箱から販売品をそれぞれのテーブルに置いていきます。
その後商品の紹介が永遠と始まり最期に商品を回収していきますが、興味を引かれた客はその商品を買うという訳です。
こうして入れ替わり立ち代りいろんな商品を紹介していきます。
好奇心の強い中国人は真剣に商品の説明を聞いたり質問したりしていてその場が結構盛り上がり、桜かと思うほどです。
そして、臭わない靴下とか金色の小型電気髭剃りといった、ちょっと怪しげな商品が結構売れていたのには驚きでした。
人なつっこい中国人はおしゃべり好きなので、中国の電車に乗って中国人とおしゃべりを楽しんでみるのも自分の中国語レベルを試すいい機会になると感じています。