日本でも毎年夏の時期には熱中症のニュースが毎日のように報道されます。
中国でもやはり熱中症があります。

ただ、中国の国土は広いので北方の夏はかなりカラッとしています。気温そのものが35度くらいでも日本のようなムシムシした暑さではありません。以前北京に住んでいた時に最高気温が40度というのを経験したことがあります。

さすがに肌がジリジリと焼けるような暑さではありましたが、体感としては40度という感じはせず、40度もあったことを後でニュースで知って驚きました。

もちろん南方ともなるとやはり気候もかなり違います。南方に住んでいる友人に話しを聞くと、真夏日の期間が長いので、熱中症になりやすいとのことです。

特に夏場は外から帰って来たらまずシャワーを浴びて、体にこもった熱を出して熱中症予防をしていると言っていました。

また南方の人達は日中の一番暑い時間帯は昼寝の習慣があって外には出ず、夕方涼しくなってから夜遅い時間まで外でおしゃべりをしたり踊ったり、ウィンドウショッピングしたりして時間を過ごすとのことです。

夏の大変暑い時期に友人の一人が

「我好像中暑了,所以今天身体不舒服。wǒ hǎoxiàng zhòngshǔ le , suǒyǐ jīntiān shēntǐ bù shūfu」

「どうも熱中症になったみたいで今日は気分が悪い」と言っていたことがあります。

この時始めて熱中症のことを「中暑 zhòngshǔ」ということを知りました。

始めはどんな漢字をあてるのか分からなかったので「中枢zhōngshū」かと思い、脳の中枢神経に異変でもあるのかと思ってかなり心配しましたが、後で「中暑 zhòngshǔ」であることを知ってホッとしたのを覚えています。

のぼせ予防といえば涼茶

中国では暑い時期には涼茶liángcháを飲むという習慣があります。代表的な清涼飲料に「王老吉wáng lǎo jí」という商品があります。

なんとこの商品、中国ではコカ・コーラよりも売上が高く 子どもから年配者まで幅広い年齢層から支持されています。

実際に飲んでみると砂糖水のような感じでかなり甘ったるい印象を受けますが、さまざまな薬草エキスが含まれていています。

主要な成分としては菊花、金銀花、仙草、鶏蛋花、布渣葉、夏枯草、甘草です。

菊花や仙草は体の熱を取り除く効果があって、金銀花(スイカズラ)は抗菌作用、利尿作用,解熱作用があります。甘草は免疫力を高め、肝機能を高める効果があって、夏枯草も炎症を抑える作用と利尿作用があるのでむくみに効きます。

「王老吉wáng lǎo jí」のキャッチコピーといえば、

「怕上火,喝王老吉pà shànghuǒ , hē wáng lǎo jí」(のぼせたくないなら「王老吉」を飲もう)で知られています。

漢方で言うところの「上火shànghuǒ 」(のぼせ)には涼茶liángcháが効くというのは中国では常識でもあり、そんな中国人の心をつかむ商品が「王老吉wáng lǎo jí」なのです。

私も最近は「中暑 zhòngshǔ」予防に涼茶liángcháの一つである菊花茶júhuā cháを飲むようにしています。