日本語の敬語には丁寧語、尊敬語、謙譲語があってその体系が複雑なので、日本人でも時に使い方を間違えたりするものです。

日本語を学んでいる中国人にとっても、日本語の敬語表現はかなりの難関のようです。

では中国語には敬語表現が全くないのかと言うと決してそうではありません。

例えば目上の人に話す場合に
「你nǐ」(あなた)
ではなく
「您nín」(あなた)
という表現を使うことはよく知られています。

相手の名前を尋ねる際に大抵
「怎么称呼你呢?zěnme chēnghu nǐ ne」(どう呼べばいいですか?)
とか、
「你叫什么名字?nǐ jiào shénme míngzi」(あなたの名前は?)
などと聞きますが、目上の人であれば、
「您贵姓?nín guì xìng」(お名前はなんとおっしゃいますか?)
などと尋ねます。

中国語の謙譲表現にはどんなものがあるか

謙譲表現としては、例えば相手を訪ねたい場合に、
「我想跟你见面wǒ xiǎng gēn nǐ jiànmiàn」(会いたいと思います)
ではなく、
「我想拜访您wǒ xiǎng bàifǎng nín」(伺いたいと思います)
という表現を使います。

この表現は中国人の友人が年配の女性と電話でやりとりしている時に使っていた表現です。

私自身中国語にも謙譲表現が有ることを初めて知った瞬間でもあり、言語ってやっぱり奥が深いと感じた瞬間でもありました。

最近こんなことがありました。

相手がずっと電話中でなかなか連絡が取れなかったので、メールなら確実に文字に残るのでメールを送りました。

それこそ自分より年上の女性なので
「我想拜访您wǒ xiǎng bàifǎng nín」(お訪ねしたいと思います)
とメールで送りました。

すると相手から
「很高兴 你到寒舍来后天怎样?hěn gāoxìng nǐ dào hán shè lái hòutiān zěn yàng」(うれしいです。あさって粗末な我が家に来るのはどう?)
との返事が返ってきました。

相手も謙遜して自分の家を「寒舍hán shè 」(粗末な我が家)という謙譲表現を使ってメールを送ってきたのです。

私はその表現を確認せず、あさってなら都合がいいので
「好的,没问题hǎode , méi wèntí」(はい、問題ありません)
と送りました。

あとで「寒舍hán shè」ってどういう意味だろうと思って調べえてみると、なんと(粗末な我が家)という謙譲表現でした。

そうすると私の返信が、「粗末な家でも問題ありません」というような意味にとられてしまったかもしれないと思いましたが、すでに後の祭りなのであまり深く考えないことにしました。

中国語の敬語や謙譲語も少しずつマスターして、言葉美人になれたらいいな、などと思ったりして中国語学習への意欲はますます高まるばかりです。

まだ日常会話も駆け出しなのですが・・・。