なかなか使い慣れない表現の一つに使役表現があります。
「~させる」という意味で基本的には
A(名詞)+「使」/「让」/「叫」+B(名詞)+動詞句
という形になります。
使役表現の中でも比較的よく使う表現 「使」「让」「叫」について取り上げてみましょう。
1「使」・・・行動変化を伴わない「~させる」
●这个电影使人感动zhège diànyǐng shǐ rén gǎndòng
(この映画は私を感動させた)
●他的信息使大家非常高兴让tā de xìnxī shǐ dàjiā fēicháng gāoxìng
(彼のニュースはみんなをたいそう喜ばせた)
2「让」・・・行動変化にも心理変化にも用いられる「~させる」
●老师让他回去lǎoshī ràng tā huíqù (先生は彼を帰らせた)
●他的话让我感动tā dehuà ràng wǒ gǎndòng (彼の話しは私を感動させた)
3「叫」・・・「~させる」「~するように命じる」(主に話し言葉で用いられる)
●妈妈叫小孩买东西māma jiào xiǎohái mǎi dōngxi
(お母さんは子どもを買い物に行かせた)
●爸爸叫妹妹收拾玩具bà bà jiào mèimei shōushi wánjù
(お父さんは妹におもちゃを片付けさせた)
行動変化を伴わない「~させる」には「使」の他に「令」があります。それでも「令」は書面語としての要素が強いと言えます。
用途の広い「让」
使役表現の中で比較的使いやすいのは「让」でしょう。
否定文にする場合は「让」の前に「不」を付けます。
「妈妈不让我玩儿。māma bù ràng wǒ wánr 」(お母さんは遊ばせてくれない)
また、疑問文にする場合は文末に「吗」をつけるか、反復疑問文の形にします。
「让我做饭吗?ràng wǒ zuòfàn ma ?」
「让不让我做饭?ràng bù ràng wǒ zuòfàn ?」
(私にご飯を作らせてくれますか?)となります。
本来「让」は動詞として用いられる場合「让步」の意味があって日本語の「譲る」という言葉と同じ意味です。
そのため「让」には
「让一下ràng yīxià」(通してください)
のように譲ることに関係した表現に用いられます。
それでも助動詞として使われると使役表現となります。
また「让」+人+動詞の形になると英語の表現「let」+人+動詞と同様で、
「让我们开始上课吧ràng wǒmen kāishǐ shàngkè ba」
(それでは授業をはじめましょう)という勧誘表現となります。
こうして考えると「让」は用途の広い頼もしい存在といえます。
日常生活の中で自由自在に用いられるよう、ちょっと意識して使ってみたいと思います。