中国では妊婦さんをたいへんよく見かけます。
それは中国の人口が多いからという理由だけではありません。
中国人はたいへん子ども好きなのです。
それは買い物をしていて、店員さんとひと言ふた言おしゃべりするとすぐに、
「你小孩多大?nǐ xiǎohái duō dà 」(あなたの子ども何歳なの?)
と子どもの話になることからも分かります。
つまり、結婚しているのであれば子どもがいるのが当然で、それを前提にこうした質問をしてくるのです。
日本では初対面の人にいきなり「おたくのお子さんいくつ?」と聞かれることはまずないでしょう。
それはきっと子どもがいるかどうかはかなり個人的なことで、様々な理由で子どものいない家庭も増えているからでしょう。
中国での妊娠あれこれ
最近まで一人っ子政策を採ってきた中国ですが、今では二人までいいことになっています。
また、田舎の地域や少数民族であればさらに制限が緩和されていると聞いています。
そんなわけで子どもを二人まで産んでいいということになると「一男一女yī nán yī nǚ」つまり一人は男の子で、もう一人は女の子を好む傾向があります。
もちろんそんな上手に産み分けられるかどうかはほぼ確率の問題になります。
実際予想外の妊娠の場合に堕胎を宣伝する病院のコマーシャルが大胆に放送されていてショックを受けます。
それでも今のところそれがこの国での人間の価値や尊厳を反映する見方といえそうです。
そんな負の一面もありますが、やはり中国人は子ども好きです。
バスに乗っていて妊婦さんが乗ってくると先に座っていた乗客は我先にと言わんばかりに席を譲ります。
また、幼児を連れたお母さんが乗ってくるとやはり席を譲る人が多く、人々のそうした反応は驚きと共に微笑ましく感じる瞬間でもあります。
「你有了?」は「おめでたですか?」に似た表現
最近家の近くの果物屋さんに行った時のことです。
この時期はライチが出回ります。
500g3・5元(約60円)とたいへんリーズナブルです。
わたしが選んでいると別のお客さんがきてバナナを買って行きました。
その時お店の人に
「嘿,你有了?hēi , nǐ yǒu le ?」(えっ、おめでたなの?)
「对,我有了duì , wǒ yǒu le」(そう、できたの)
といってにこやかなやりとりをしていました。
一体何のことなのかと思いつつ店員さんのお腹が気持ち大きい事に気が付き、私も
「你有宝宝吗?nǐ yǒu bǎobao ma ?」(赤ちゃんがいるんですか?)
と尋ねると
「嗯,有了ǹg , yǒu le」(うん、できたの)
と答えが返ってきました。
「有了yǒu le」とは子どもが出来たこと、つまり妊娠したことを表す湾曲表現だったのです。
そういえば日本語でもお腹の大きい妊婦さんに「おめでたですか?」なんて聞く表現があります。
いうなればあれと似たような表現なのでしょう。
こんど街で妊婦さんを見かけたらわたしも「你有了?nǐ yǒu le ?」(おめでたですか?)という表現を使ってみたいと思います。