中国人が好きな色といえばなんといってもやっぱり赤(红色hóngsè)でしょう。
中国では、赤は国旗の色、おめでたい時の色、厄除けの色でもあり幸運をもたらす色とされています。
たとえば中国では結婚式の時の祝儀袋や旧正月の時のお年玉(压岁钱yā suì qián)は红包hóng bāoと言って赤い封筒にお金を入れます。
結婚式のウエディングドレス(婚纱hūn shā)はもちろん白ですが、お色直しのドレスに赤いドレスを着ることが多いようです。花嫁は赤い日傘をさすのが伝統的で、これもやっぱりおめでたい色の赤と決まっています。
初めて中国に来た時に驚いたのは下着売り場で真っ赤なパンツとブラが売られていたことです。小学生の時の紅白帽の色のまさにあの赤です。
「そんな下着を買う人いないでしょ」と思いきや、別の時に中国人の友人と買い物をしていたら、なんとあの真っ赤なパンツを普通に買っていたのです。
今どきの若い世代は違うんだろうと思っていたら、そうでもないようです。
中国では旧正月の際には幸運や財運の願いを込めて玄関に春聯(春联chūnlián)という対句を貼る習慣がありますが、それもやっぱり赤で統一されています。
このように中国では伝統的な習慣や行事に関連して赤が使われることが多いため、中国人にとって赤は馴染みの深い色とも言えるのでしょう。
最近日本で「爆買い」という表現で知られるようになりましたが、ショッピング目的で日本に訪れる中国人が増えています。
プレゼント用のリボンで中国人が選ぶ色はダントツ赤が多いと言われていますが、これもやはり同じ理由によります。
中国人客が増えているお店では赤いリボンをストックするようにしているという話しも聞いたことがあります。
最近の中国人のファッション
それでは普段中国人はみんな真っ赤な洋服を着ているのかというとそういうわけではありません。
私がはじめて中国に行ったのは5年ほど前の北京ですが、当時は地味な色の服を着ている人が多く、女性でスカートを履いている人も少なかったように思います。
それでも経済発展とともに生活そのものも豊かになり、女性の服装が大変華やかになったと感じます。
ちょうど80年代バブル期の日本のボディコンを彷彿させるような派手でミニでタイトなファッションも流行っていて、50代の女性でも平気でミニスカートを履いている人を多く見かけます。
カラーに関しては中間色を好む日本人に比べるとやはり原色とかパステル系の色を好む傾向が強いです。日本人だと小柄模様を好むのに比べて中国人は派手な模様や文字が入ったデザインを好むのも国民性の違いでしょう。
最近、私の中国人の友人が着ていたブラウスの絵柄がなんと猿だったのには驚きました。さり気なく(?)描かれてはいますが、テナガザル系の猿が真ん中に大きく描かれています。
日本では決してお見かけしないデザインだったので思わず
「你今天穿的衬衫很特别,衣服上有猴子的图案,是吗?
nǐ jīntiān chuān de chènshān hěntè bié , yīfu shàng yǒu hóuzi de túàn , shì ma ?」
(今日のブラウス格別だね、猿の絵柄なの~?)
と確認すると、
「是啊,谢谢。shì a , xièxie。」(そうだよ、ありがとう。)
と褒められて大変嬉しそうにしていました。
男性の服装も日本に比べてカラフルです。
日本では男性物のシャツやポロシャツで花柄を見かけたことはなかったように思いますが、中国ではよく見かけますし、実際そういうのを着ている若い男性も見かけます。
そんなわけで中国といえば赤、赤といえば中国というくらい中国人にとって赤(红色hóngsè)は馴染みが深く、好きな色なのです。