日本語で経済的にも自立していて、気苦労のない独身者のことを「独身貴族」といいますが、中国語では「単身贵族dān shēn guìzú」と言います。

また、未婚の独身男性を「单身汉dānshēn hàn」なんて言います。

日本語だと「単身」は「単身赴任」というように単独であることを表す表現ですが、中国語の場合未婚の独身者のことを指します。

中国では長年一人っ子政策をとってきたため、男の子を重視する傾向があり、その結果男女の人口比に不均衡が見られます。

そのせいもあって独身男性が多く「单身汉dānshēn hàn」なんていう言葉があるのかもしれません。

それでも地元の中国人の話を聞いていると、男性が結婚するにはかなりのことが要求されていて気の毒になります。

一般的に結婚するためにはなんといっても家を持っていなければいけないようです。
車もあればなおのこといいのは言うまでもありません。

いわゆるマイホーム、マイカーを持ってはじめて結婚できるという訳です。
こうなると我が子のために親は必至です。

大抵親が子どものために家を買ってあげるような傾向もあり、人によってはいくつも掛け持ちで仕事をして、子どものマイホーム購入のためにお金をせっせと稼ぎます。

「単身」と「独身」は同じようでちょっと違う

中国では初対面でも相手が結婚しているか、子どもがいるかなどということを聞きます。
基本的に相手に関心があり、こうしたことを尋ねるのも相手に対する関心の現れと考えるからでしょう。

男性が所帯を構えることを「成家chéngjiā」と言います。
それで
「你成家了?」(所帯を持っているんですか?)

「你结婚了?」(結婚してるんですか?)
とほぼ同じ意味ですが、男性に対してのみ用います。

こんな時結婚していない男性は
「我还没成家,单身。wǒ háiméi chéngjiā , dānshēn 。」
(まだ所帯を持ってません、独身です)
などと答えます。

ここで単身が独身とほぼ同じ意味だと思い
「哦,独身ò , dúshēn」(ああ、独身なんだ)
と言ったところ、ちょっと奇妙な表情をされて
「単身dān shēn」(独身です)
と言い直されたことがあります。

あとで知ったのですが、中国語では「独身dúshēn」というと独身主義的な一生結婚しない人というような意味合いが強いようです。

そのため、未婚の独身者に対して「独身dúshēn」というとちょっと皮肉っぽく聞こえることがあるので注意が必要です。

中国でも都市部ではやはり晩婚化が進んでいて、経済的に自立して独身を桜花している「単身贵族dān shēn guìzú」は少なくなく、わたしの身近にもそうした中国人の友人が何人かいます。