中国では経済の発展に伴ってごちゃごちゃと立ち並んでいた小売店が取り壊され、代わりに大型のショッピングモールやマンションが次々に建設されています。

それでも場所によってはまだまだ小売店の立ち並んでいる地域があって、いつも人でにぎわっています。

中国のスーパーやデパートではすでに固定された価格があるので値切るのは難しいですが、小売店なら値切れます。

讨价还价tǎo jià huán jià(価格交渉)が楽しくて、わざわざ小売店で買い物をするという人もいるようです。
もちろんこれにもテクニックが求められます。

根切りのやり取り実践編

はじめに
「这个怎么卖?zhège zěnme mài ?」(これ、いくらですか?)
と言って売値を確認します。

もちろん価格があってないようなものなので、とりあえずこれは参考までとします。
また、中国では同じ商品を扱っている店が建ち並んでいるので、何件かお店をあたって同じ商品の価格を確認してみます。

価格を確認したら一番感じの良い老板lǎobǎn(店長)のいた店に戻って価格交渉をします。

この老板lǎobǎn(店長)の感じの良さは安く買い物をするけっこう重要なポイントの一つです。

まずは相手がそこまでは値下げしないと思うギリギリの価格を振ってみます。

例えば50元で売っている傘を35元なら買ってもいいと思うなら、はじめは,
「28块怎么样?28 kuài zěnmeyàng ?」(28元でどうでしょう?)
と言います。

きっとお店の人はそんな値段ではとても売れないということでしょう。
そこで少しづつ価格を上げてみます。

このやりとりを何度かしても全く値段を下げてくれないようならお店を立ち去ります。

するとお店の人もちょっと焦って呼び止めてきます。
そして
「38块给你吧。38 kuài gěi nǐ ba 。」(38元で売ってあげましょう)
と言います。

でもここで引かずに
「35块吧。35 kuài ba」(35元にしましょうよ。)
と言います。

するとお店の人も相手が本当に買うということが分かるので最後には
「好吧,那么35快给你吧。hǎo ba , nàme 35 kuài gěi nǐ ba 。」
(分かった。じゃ、35元で売ってあげましょう)
といって35元で売ってくれるというわけです。

もちろんどこまでこのやりとりをするかは相手と物にもよります。
相手も商売をしているわけですから全く儲けがなければ困るので、お互い気ちよく売り買いができる範囲内で価格交渉をしましょう。

問屋街でも値切れる最強フレーズ

私の家の近くには卸問屋の立ち並んでいる市場があります。
卸と言ってもそれほど価格が安いわけでもなく、客寄せのために卸といっているようにも思います。

こういうお店は安い値段で売ってやってる、くらいな高飛車な老板も少なくないので
「能不能便宜点儿?néng bùnéng piányi diǎn ér ?」
(少し安くしてもらえませんか?)
などとこちらが下に出るとつけあがります。

「已经批发价格了,不能。yǐjīng pīfā jiàgé le , bùnéng 。」
(すでに問屋価格だからダメだね)
と言ってあっさり断られてしまいます。

それでも方法が全くないわけではありません。

ある時こういうお店でお客さんが
「最低多小钱?zuìdī duō xiǎo qián ?」(最低価格はいくらですか?)
と言っているのを耳にしました。

すると老板lǎobǎn(店長)が
「最低35块给你吧zuìdī 35 kuài gěi nǐ ba」
(最低価格35元で売ってあげましょう)
と言ってあっさり値引いたのです。

中国の社会は強いものが上に立つという構造なので、こちらが下に出ると相手はつけあがり、逆にこちらが上に出ると相手は下に出るという面白い現象が端々にみられます。

なるほど、この方法なら買ってあげるけどいくらで売るつもり?とお客の方が立場が上になるので、店側はあっさりと最低価格を提示したというわけです。

「最低多小钱?zuìdī duō xiǎo qián ?」(最低価格はいくらですか?)はスムーズにしかも最も安く買い物をする最強のフレーズであることを知り、最近気にいって使っています。