経済発展を遂げている中国、若者達の中には田舎から都市部に移り住み、お金を稼いで資金をためて自分で開業したいという夢や希望を持っている人は少なくありません。

もちろん開業しても成功するかどうかはやり方次第です。
それでも思い立ったらすぐに行動するのが中国人の特徴の一つです。

きっと人口が多いので、あれこれ考えていると出遅れてしまうという気持ちがどこかにあるのでしょうか。
よく言うと大変潔いという印象を受けます。

そんなこともあってか先週まであったお店が次の週には改装されて別のお店に変わっているというのは日常茶飯です。

私の中国人の友人にも田舎から出て来て、将来自分達の店を持ちたいと思っている人達がいます。

二人で稼いでいるので結構資金も貯まっているのかと思いきや、稼いだら稼いだ分だけ使い果たしてしまって全然貯まらないとのことです。

家計簿を付けているのか尋ねると、「・・・何それ?」というような反応が返ってきました。

まったく行き当たりばったりと言うか、度胸が座っていると言うのかこちらの方が唖然とさせられます。

話しているうちに彼氏のタバコの消費量が多いことに気付きました。
一日一箱は吸うとのこと、だいたい一箱10元(日本円で200円弱)なので一ヶ月で300元(6000円弱)です。
これは決して小さい額ではありません。

タバコは百害あって一利無しと言われるように健康にもお財布にもやさしくありません。

しかも自分の健康だけでなく、彼女と将来の赤ちゃんの健康も脅かしてしまいます。

すると彼氏がポツリとひと言、
「我也明明知道 抽烟损害健康,可还是忍不住抽烟。wǒ yě míngmíng zhīdào chōu yān sǔnhài jiànkāng , kě háishì rěnbúzhù chōu yān 」
(タバコが健康を損なうことは分かっているけど、ついつい吸ってしまう)とのことです。

どうもこれまでにも何度か禁煙しようとしたけど長続きしなかったようです。

「明明病」の意味するところ

「明明知道…míngmíng zhīdào…」という表現、最近友人達の話しの中でよく耳にします。
と言うかこれまで気が付かなかっただけなのかもしれませんが…。

例えば…、
●「明明知道要起床,但是起不来。 míngmíng zhīdào yào qǐchuáng , dànshì qǐ bù lái 」
(起きなきゃいけないのは分かっているけど起きられない)

●「明明知道垃圾食品对身体不好,可还是忍不住吃方便面。míngmíng zhīdào lā jī shípǐn duì shēntǐ bù hǎo , kě háishì rěnbúzhù chī fāngbiàn miàn」
(ジャンクフードが体に良くないのは分かっているけどついついカップラーメンを食べてしまう)
などなどです。

みんなこうするべきだと分かっていてもしなかったり、しちゃいけないと分かっていてもしてしまったり…という悪い癖からなかなか抜け出せないようです。

それでもそれが悪い癖だという意識があるだけ改善の見込みがありそうです。
それに悪い癖は除々に身についてしまったわけですから、改善するにも一朝一夕という訳にはいかないでしょう。

肝心なのは本人がどうしたいか なのですが、ここで言い逃れとして「明明知道…míngmíng zhīdào …」と言ってしまう、実はそれが「明明病míngmíng bìng」の特徴なのです。