中国の春節の時期になると、スーパーや商店でよく流れる曲があります。
ご存知の方も多いと思いますが、「恭喜发财gōngxǐ fācái」という歌です。
その歌で繰り返される歌詞に「恭喜你发财~,恭喜你发财~!gōngxǐ nǐ fācái ~ , gōngxǐ nǐ fācái ~ !」
(あなたが金持ちになりますように~、儲かりますように~!)というフレーズがあるのですが、少し考えるとけっこうエグい歌詞です。
それでもこの曲は中国人の購買意欲を掻き立てるのか、その時期にはイヤというほど聞かされるので、知らず知らずにこの歌詞を口ずさんでしまいそうになるほどです。
中国では経済的な発展に伴って多くの人が「要赚钱yào zhuàn qián」(お金を稼いで儲けないと)という考えを持っています。
ちょうど高度成長期の頃の日本と似ています。
マイホームを購入し、マイカーを所有するのが金持ちのステータスという考えが浸透しているため、人によっては面子のためにかなりの借金をしてまでも家や車を購入してしまうという話も聞きます。
また、家庭によっては子どもは祖父母に預けて親は出稼ぎに出て、春節の時期にだけ一家団欒を過ごすという話しもよく聞きます。
日常のこんな場面でも使う「恭喜你」
「恭喜你gōngxǐ nǐ」という表現ですが、他にも
●「恭喜你结婚gōngxǐ nǐ jiéhūn」(ご結婚おめでとうございます)
●「恭喜你生小孩gōngxǐ nǐ shēng xiǎohái」(ご出産おめでとうございます)
●「恭喜你考上大学gōngxǐ nǐ kǎo shàng dàxué」(大学合格おめでとうございます)
などおめでたい時や、祝福の表現に用いられます。
それでも「恭喜你gōngxǐ nǐ」はこうした特別の時以外にも使える表現です。
最近たまたま見かけたテレビのクイズ番組で、司会者の説明にあった漢字を中国人の学生が正しく書けるかというのがありました。
正解の場合に司会者が
●「恭喜你,答对了gōngxǐ nǐ , dá duì le」(おめでとう、正解です)
と言っていて、こういう場合にも「恭喜你gōngxǐ nǐ」という表現を使うことを知ってとちょっと勉強になりました。
では、不正解の場合にはどう表現するのでしょうか。
司会者は、
●「太遗憾,答错了tài yíhàn , dá cuò le」(残念、不正解です)
と言っていました。
「太遗憾tài yíhàn」はこんな時にも使うのか、とこれも参考になりました。
興味深かったのは正解の場合に鳴る「ピロリロリン」というチャイムの音は日本と変わらなかったのですが、不正解の場合、日本のクイズ番組で聞くような「ブー」という音は流れません。
不正解の上にさらにあの「ブー」音が流されるのは、学生であっても面子まるつぶしになるからなのでしょうか、詳しい理由は分かりませんがとにかく「ブー」音は流れず、不正解だった生徒もそれほどがっかりせず帰っていくのが印象的でした。
普段中国のテレビはニュースくらいしか見ないのですが、たまにこういった番組を見ると、どんな時にどんな表現を使うのか、また日本と中国のちょっとした観点の違いも知ることができ、参考になると感じました。