中国以外の漢字文化圏で今でも日常生活で漢字を使うのは日本でしょう。
そういう日本人にとってはある意味中国語は学び始めやすい言語と言えます。

実際、中国語の単語が分からなくても日本語の単語を中国語読みすると通じる場合があるので、そんな時は便利に感じることがあります。

ただ、同様の理由で注意が必要な場合もあります。
つまり、日本語と同じ漢字でも意味の違う中国語があるということです。

また、実際の意味以外にもその言葉の含む意味も文化によって違うのでその点も注意が必要です。

例えば、日本ではピンクと言うと桃色というのが実際の意味ですが、「ピンク本」と言うとこの言葉の含む意味はわいせつな本となり、意味が違ってきます。

中国語での同様の表現としては黄色があります。
実際の意味は黄色ですが、「黄色小说huángsè xiǎoshuō」と言うと「ピンク本」と同様の意味になります。

そんな理由もあって苗字が「黄huáng」という人の場合、こちらが確認のために
「黄色的黄,是吗?huángsè de huáng , shì ma ?」(黄色の黄ですよね。)
と尋ねたくなるものですが、言われた相手はあまりうれしい顔をしません。

この場合中国人は「草头黄是吗?cǎo tóu huáng shì ma ?」と言って確認しています。

これは小学校の低学年で学ぶ名前を覚える歌に出てくるようです。
この他にも例えば、「「口天吴, 木子李,弓长张。kǒu tiān wú , mù zǐ lǐ , gōng chángzhāng」などがあります。

また、日本語で「愛人」と言うと正式な配偶者以外の第三者という意味があり、公の場ではあまり口にしない表現でしょう。

それでも中国語の場合「愛人ài rén」は全く正反対の意味で、愛すべき正式な配偶者という意味があります。

そのため、自分の配偶者を友人や知り合った人に紹介する時には、
「他是我爱人tā shì wǒ àiren」と言って紹介することも少なくありません。

イロイロある日本語と漢字が同じで意味が違う中国語

他にも日本語と漢字が同じで意味の違う中国語にはこんなものがあります。

●「老婆lǎopo」…自分や他人の妻を指す表現。奥さんが若かろうが年であろうが老婆なのです。
●「経理jīng lǐ」…企業の経営者や支配人。日本の会社の経理とは違います。
●「大人dàren」…おとなを意味する他、組織のボスや目上の人に対する敬称です。
●「先生xiānsheng」…男性に対しての敬称、決して学校の先生ではありません。
●「大家dàjiā」…みんなという意味、決して借家の大家さんではありません。
●「手紙shǒu zhǐ」…トイレットペーパーの意味、書く手紙ではありません。
●「新聞xīn wén」…ニュースの意味、新聞紙を表す中国語は「报纸bàozhǐ」です。
●「読書dú shū」…学校に行く、勉強するの意味です。
●「勉強miǎn qiáng」…無理やり、強制するという意味です。
●「顔色yánsè「」…血色の顔色以外に色彩の色の意味があります。
●「麻雀máquè」…日本語ではマージャンですが、中国語ではスズメのことです。
●「下面xiàmian」…下という意味意外にも次という意味があります。
●「約束yuē shù」…束縛、制限という意味です。
●「小心xiǎoxīn」…気を付ける注意するの意味、気が小さいわけではありません。

こうして学んでいくと中国語と日本語の違いが分かり、言語って学べば学ぶほど奥が深いと感じます。