中国では新年といえば正月ではなく春節つまり过年guòniánのことです。
今年は2月18日がいわゆる大晦日で24日までが国が定めた休みです。
会社によっては一週間から一ヶ月ほど休みのところもあります。

農村から都市部に出稼ぎに来ている人達にとってはこの过年guòniánのために一生懸命働いているという人も大勢います。

また一年に一度この時期だけ仕事の休みが取れるという人も少なくありません。

逆に普段にぎやかな都市部ではこの時期はどこもお店が閉まり、人口も減るのでひっそりとします。

普段の朝の渋滞が嘘のように交通量も少なくどこへ行くにも大変スムーズです。

近年、大型のスーパーは过年の初日だけ休みで二日目からは営業しているので生活面ではそれほど不便ではありません。

それでも流通の関係で特に食料品の値段が跳ね上がります。
地元の友人からは过年guòniánの前に出来るだけ買いだめしておくように言われます。

それでも青野菜類はすぐに悪くなってしまうので、買いだめにも限界があるのも事実です。

中国では開店、開業、結婚などおめでたい時に厄除けで爆竹を鳴らす習慣がありますが、なんといってもこの过年guòniánの時は一年で一番爆竹の音を聞きます。

さらに花火も夜中じゅうと言っていいくらいにぎやかに上がります。

田舎から出て来た友人によると、田舎の过年guòniánは都市部よりもっとにぎやかに花火が上がり、爆竹を鳴らすとのことです。

穷快乐とは…

この時期には買い物の際の話題とえばやはり过年です。
「你过年回老家吗?nǐ guònián huílǎojiā ma ?」(春節は田舎に帰るの?)と尋ねると大抵
「肯定回啊kěndìng huí a」(当然帰るよ。)という答えが帰ってきます。

もちろん田舎から都市部に出てきている人達の生活は決して楽ではありません。

帰省するとなるとそれなりにお金もかかるわけですが、一年に一度親族が一同に集まって家族団欒を楽しむ機会なので、なんとしてもその機会を逃したくないという思いの人は少なくありません。

最近もお店の人とおしゃべりしているとその人が
「穷快乐qióng kuàilè」という表現を使っていました。
つまり貧しくても家族が楽しく過ごせればそれで満足という考えです。

経済発展を遂げてきた中国ですが、まだまだ昔ながらの家族のつながりや絆を大切にしている表現の一つなんだと思いました。