中国語の学習を始めてしばらく経つと、除々に聞き取りができるようになってきます。
以前はバスの中で聞こえてくる雑談も単なる雑音に過ぎなかったのですが、最近は話の内容が分かるようになり、「こういう場面ではこういう表現を使うんだ」と中国語学習のいい機会にもなっています。
また、以前は漢字だらけで記号のように思えた中国語の文章も、少しずつ読めるようになると、意味のある文章であることが分かってきます。
それでも、聞いて相手の言っている意味は分かっているのに、相手の質問に答える段階になると中国語が出てこない、そんな経験をされる方は少なくないと思います。
以前に大学の発音矯正クラスに通っていた時のことです。
ある留学生は中国人講師の質問に答えるのに毎回かなりの時間がかかっていました。
その生徒は答える際に頭の中で母語から中国語に変換していたようで、講師はその習慣をやめて、中国語は中国語で考えてアウトプットするようにと勧めていました。
このように中国語で聞いたり読めても、表現する段階になると難しさと感じることがありますが、これには確かに理由があります。
つまり聞いたり読んだりすることは情報を取り入れる作業で、インプットです。
逆に話したり書いたりすることは生産する作業つまりアウトプットです。
当然情報を取り入れる作業の方が生産する作業より比較的簡単です。
もちろん学習の早い段階では一定量のインプットが欠かせません。
それでもある程度インプットしたなら、今度はその情報を使ってアウトプットする必要があります。
このアウトプットは始めはなかなか難しく感じますが、アウトプットすることによってインプットした情報が強化されていく効果もあります。
もともとおしゃべり好きな人はこのアウトプット量が多いので中国語の上達も早いと言われています。
私とは対照的に話し好きの主人はやはり中国語の上達も速く、アウトプット効果の大きさを感じます。
では、周りが中国語を話す環境にない場合にはどうやってアウトプットを強化できるのでしょうか。
例えば、お風呂に浸かっているリラックスタイムに、ひとりごとでブツブツと中国語をしゃべってみるのはどうでしょうか。
実はこれは日本にいる時に主人がよく使っていたアウトプットの方法の一つで、時には本当に誰かと会話しているのかと思うような時もありました。
是非インプットだけでなく、アウトプットも忘れずに行いましょう。