どの地域でもその地域独特の口癖のようなものがあるものです。

私が以前に住んでいた北京でよく耳にしたのは
「快点儿,快点儿kuài diǎn ér , kuài diǎn ér」(はやく、急いで)という表現です。

スーパーのレジに並んでいても、バス乗り場でもこの表現を必ずと言っていいほど耳にしました。

きっと都市部の生活は慌ただしいので無意識のうちにこのような表現が口から出てしまうのかもしれません。
特に親が子どもにこの表現を使っている事が多かったように思います。

一人っ子が多いので、親の期待も大きく、子どもたちは学校が終わると親が迎えに来て、英語塾などに通います。
子どもの時から慌ただしく、忙しい毎日を送っているのです。

そうかと思えば別の都市でよく耳にした表現は
「 不要紧,不要紧bùyàojǐn , bùyàojǐn」という表現です。
日本語で言うところの「構わない」「気にしない」「大したことない」に近い表現です。

相手の失敗だけでなく自分が失敗した時でも「不要緊」

約束した時間にちょっと遅れた時やちょっとしたミスをした相手にに対してこの表現を使います。

ただ、面白いのは相手の失敗だけでなく自分が失敗した時にもこの表現を使う事があることです。

実際こんな事がありました。

普段飲料水はウォーターサーバーを使っていて、お水を配達してくれるサービスがあります。
はじめに10本分のお金を先払いして、配達してもらう度に記帳に記入してもらいます。

ある時配達してもらった後、記帳の記入が間違っていることに気付きました。
それで次に配達に来た時にそのことを指摘すると、
「不要緊的bùyào jǐn de」といって書き換え、何事もなかったかのように普通に帰って行きました。

確かにたいしたことではないのですが、もしこれが日本だったらきっと配達員さんはまずひらにあやまり、お客さんのほうが「たいしたことないですよ」というのが一般的のように思います。

ところ変われば、物事に対する対応も考え方も違ってくるのです。
そういう私も最近はこういう対応を受けてもなんとも思わなくなり、それこそ「不要紧bùyào jǐn 」という感じになってきました。