初めて中国に来た時まず直面したのは、現地の中国人が何を話しているのか全く聞き取れないという現実でした。
もちろん中国に来る前に数ヶ月中国語を学んだくらいだったので、語彙数がかなり限られていたという事実もあります。
また日本のラジオ講座のゆっくり丁寧な発音に聞き慣れていたので、現地の人の普段の普通の会話の速さにはあっけにとられるばかりでした。
私たちがはじめて住んだのは北京だったので、比較的標準語に近いと思っていたのですが、実は北京には北京の儿话ér huàという何でも語尾に儿をつけて話すなまりがあって、地元の人の話しはかなかなか聞き取りにくいものでした。
そんなわけではじめのうちは中国人の友人と話していても、相手の話しの中で出てきた自分の知っている単語をつなぎあわせて、大体こんなことを言っているのだろうという当て推量をしながらの聞き取りでした。
もちろん分かっていないのに分かったふりをして、全然違うことを言っていたのではやはり問題や誤解が生じてしまいます。
ここでまず必要になるのが、分からないことを素直に認める謙虚さです。
この点では幼児期の子どもたちが言葉を習得していく時のことから学べます。
子どもは好奇心が旺盛で分からないことはとにかく何でも分かるまで質問します。
言語の学習においてもこの好奇心と共に、分からないことを何でも遠慮せずに質問する勇気と謙虚さが必要です。
聞き返しの表現アレコレ
例えば、先ほどのような当て推量で相手の話を聞き取っている場合に誤解があってはいけないので、要所要所で相手の発言の意味を自分の知っている言葉で言い換えて
●「你说的意思是・・・吗?nǐ shuō de yìsi shì ・・・ ma ?」
(あなたが言っているのは・・・ということ?)
と聞き返してみます。
あるいは知らない表現に関しては
●「・・・是什么?・・・ shì shénme ?」(・・・ってなんのこと?)
と言ってその表現の意味を教えてもらうようにします。
こうして質問すると新たな表現や単語を学ぶことが出来、語彙も増えていくので一石二鳥です。
また、相手の話しが聞き取れなかった場合には
●「请再说一遍qǐng zàishuō yī biàn」(もう一度話してください)
と言いましよう。
相手の話し方が速くて聞き取りが難しいのであれば、
●「请慢一点说话好吗?qǐng màn yī diǎn shuōhuà hǎo ma ?」
(もう少しゆっくり話してもらえますか)
と言えばゆっくり話してくれます。
さらに、周りの雑音などで相手の話しが聞き取れなかったのであれば、
●「刚才你说的我听不清楚gāngcái nǐ shuō de wǒ tīng bù qīngchu」
(今の話、よく聞き取れなかったんだけど)
と言ってから
●「请大声一点好吗?qǐng dà shēng yī diǎn hǎo ma ?」
(もう少し大きな声でお願いします)
と言うなり、もう一度話してもらうなりしましょう。
このように分からない場合に何でも、そして何度も聞き返すと相手に迷惑なのではないかと心配したり、遠慮する必要はまったくありません。
と言うのは、中国人は同じアジア圏ではあっても日本人とはかなり国民性が違います。
発言に関しては思ったことをかなりストレートに発言するので、面倒だと思ったら面倒だとけっこうはっきり言ってくれます。
それなので遠慮せず分かるまで聞き返してみましょう。
大抵丁寧に教えてくれることでしょう。