言語の学習で失敗や間違えは当たり前のことです。
子どもが上手に歩けるようになるまでに何度も転ぶのと同じです。

ハイハイしていた子どもがいきなり大人のように歩き出したら脅威ですし、まずありえないことです。

同様に最近中国語を学びはじめ、やっとピンインが読めるようになった人が、いきなりネイティブのように話せるようになるわけがありません。

また、ある程度の年齢になってから第二言語を学ぶ場合、ネイティブのように話すことはほぼ難しいとも言われています。

つまり、はじめからあまり高望みしてしまうと、理想と自分のレベルのギャップに学習意欲を失ってしまうことがあります。
まずは今の自分のレベルを正直に受け入れましょう。

そしてお勧めしたいのは、今の自分のレベルよりプラス1ランク上を目指すくらいのつもりで学習を進めていくことです。

また、自分の中国語のレベルが一向に上がらないと思える時には、言語の学習で大切なのはネイティブのように話せることではなく、その言語を使って人と心や気持を通わせることであることを思いに止めていれば、モチベーションを保つことができるでしょう。

言語習得の早い人に共通の特徴とは

それにしても言語の習得の早い人がいるのは確かです。

言語習得の早い人の特徴としては強い動機付けがあること、失敗を恐れないこと、外交的でおしゃべりが好きなどがあります。

この中でも最も重要なのは強い動機付けでしょう。
特に言語の上達は階段式といわれていて、ある期間進歩が見られないように感じる時期が必ずあります。

そんな時でも自分が中国語を学ぼうと思った時の熱い気持ちや、中国語を話せるようになったら何をしたいのかということを思い描ければ、この時期にも諦めずに学習を続けられます。

そしてある日、自分でも中国語のレベルが上がったと実感する時がきます。
こうした経験を身を持ってすれば、また同じような時期を迎えても学習を続けていくことができるという訳です。

また失敗を恐れないという点ではある程度プライドを捨てる勇気が必要です。
発音が間違っているかもしれないと思っていつまでも黙っていては、自分の発音が間違っているのか正しいのかも分かりません。

意外にも単語や表現を間違えると、正しい発音や表現をインプットしやすかったりするのも確かです。

外交的でおしゃべり好きという点ではもともとの性格もかなり関係していると思いますが、言語の学習に関しては、とにかく話すのが上達の秘訣なので話す機会を増やすように心がけてみましょう。

私が通っていた大学のクラスには英語圏の生徒もいれば、漢字文化圏と言われるいわゆる東洋の国の生徒もいました。

特に英語圏の生徒にとって漢字の読み書きは、かなり苦手なようでした。
それでも彼らは子どもの頃から自分の意見を人前でしっかり話す習慣が身についているので話すのが得意です。

そのため漢字が読めなくても中国語が流暢に話せる人が多かったのは大変興味深い点でしたし、とにかく話すことが上達の秘訣であることを改めて感じる経験でした。

そんな私はこれまで挙げた特徴の中で強い動機付け以外は持ちあわせていなかった為、中国語習得にはかなり苦労してきました。

それでも最近では失敗を恐れず、学んだ表現を使って相手と意志を通わせ、心が通う楽しさも感じられるようになり、さらに学習を続ける意欲が湧いているところです。