中国で留学する前、何度か独学で中国語に挑戦した事があります。
それでも、もともと漢字が苦手な私にとって中国語のテキストは見ているだけで気が遠くなくように思えました。
さらに、日本語にない中国語の発音、発声をテキストどおりやってみても、それが正しいのかどうなかよく分からず、何度もピンインの段階で挫折していました。
それでも中国語は聞いているとまるで音楽のようで耳に心地よく、その音が気に入り、いつかはマスターしたいと思っていました。
そんなわけで独身時代から何度か挫折の経験を重ねていたのですが、実際に中国で留学することになり、はじめて中国語だけが話されている環境に身を置くことになったのです。
まるで水槽の金魚がいきなり海に放り出されたような状態です。
しかも私たちが住んだ北京でラジオ講座で聞いていた中国語のような、明瞭でゆっくりした話し方をしている中国人などいませんでした。
さらに、私の話せる中国語といえば、最低限生活していける程度のサバイバル中国語だったので、人から質問されても何を質問されているのかさえも分かりませんでした。
それでも幸い近所に中国人の友人家族が住んでいたので、困った時にはいつも助けてもらっていました。
中国語学習の順番は「听,说,读,写」
ある時その家の奥さんから、慌てずゆっくり学んでいけばいいと励まされ、中国語の学習の順番は
「听,说,读,写」(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)
と言われるので、とにかくはじめは中国語のシャワーをたくさん浴びて、除々に学んだことを言葉に出して表現していき、読んだり書くこともしだいに行っていくといいと言われました。
そういえば、日本では国語をはじめ言語の学習と言うと、読み書きと言われるように読むことや書くことが中心になされてきたように思います。
そのためか、日本人は自分の意見を述べるのが苦手ですし、外国語となればなおのこと、読んだり書くことは出来てもその言語を話すことに苦手意識を持つ人は少なくないと思います。
彼女の言葉を聞いて、私もその日から家事をする時もバスに乗る時もほどんど四六時中テキストの録音や中国語のラジオを聞くように心掛けました。
そういえば子どもが母語を学んでいく段階でも、はじめはとにかく周りの大人たちの言葉を聞いて、除々に話せるようになり、その上で読んだり書いたりすることを学んでいくものです。
中国語の学習の順番は
「听,说,读,写」(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)です。
はじめはとにかく聞くことからはじめてみましょう。